今や高級贈答品として高く評価されている「貴陽」について、その歴史や産地、栽培方法などをお伝えします。
山梨で生まれた高級すもも「貴陽」
貴陽(きよう)は、山梨県南アルプス市の高石鷹雄氏が1977年(昭和52年)にすもも「太陽」の花粉親不明の交雑実生から選抜した品種で、1993年(平成5年)に品種登録の出願を行い、1996年(平成8年)に品種登録されたすももです。
質の高い味わいを求めること20年。
ようやく生まれた品種、それが貴陽です。
産地の特長・歴史
貴陽の産地、南アルプス市は山梨県の西側にあります。内陸性気候のため寒暖差が大きく、果物の生産に適した気候の地域です。
国内最大級の御勅使川(みだいがわ)扇状地の上にあるため、水はけが大変良い土壌で、山梨県内でも有数の果物づくりに適した産地です。
すももの生産量は南アルプス市が日本一の産地で、歴史も古く江戸時代に南アルプス市落合地区で栽培されていた記録が残っています。
結実率が低く、安定生産が非常に難しい品種
貴陽は結実が難しく人工授粉が必須です。
一般のすももでは受粉は1回か2回程度。しかし貴陽はその4倍以上、受粉回数を行わないと結実しません。
受粉時期(満開時)の天候で生産量が大きく変化します。
生産量に対して栽培管理も非常に手間がかかり難しく、市場では高級贈答品として高く評価されています。
貴陽の特長
貴陽の果実は綺麗な球体で、特長はその大きさです。
平均的に200グラム前後の大玉になり、大きいものだと300グラム前後にもなります。
種は果肉からはがれやすく、果実も半割れに切ると種が綺麗に取れます。
糖度は20度以上にもなり、他のすももの甘みを凌駕します。程よい酸味とジューシーな果肉で”すももの王様”と呼ばれるのも納得のすももです。